これは前回の
「IEPとか個別支援計画について」に続いて、スタッフさんに「個別の支援計画」を書いて頂くための参考として出したニュースレターです。少し文言を削ったり、一般にわかりやすいように変えたりした部分があります。
20121220
個人的ニュースレター
アセスメントについてと「個別支援計画」 kingstone
アセスメントという言葉が特別支援教育で使われる場合、評価という意味でよく使われるようです。つまりお子さんの現状を評価するわけです。
アセスメントには
・フォーマルなアセスメント・インフォーマルなアセスメントの2つがあります。
フォーマル(公式)なアセスメントというのは標準化されたテスト(WISC 新版K式 など)や医師や心理士などの観察による意見書なども含めていいと思います。
インフォーマル(非公式)なアセスメントというのは・・・実は観察できるものすべてをインフォーマルなアセスメントにできるのです。
その中でも「授業」の時間はたいへんにわかりやすいアセスメントになります。こちらが意図した教材を用意し、それをお子さんがやり、何をわかって(認知)、教具(鉛筆も教具です)をどう使えた(操作した)か、どこができたか、どこができかけているか、どこができなかったか。またその時にどういうふうにコミュニケーションしたか、どう行動したか、そこからお子さんを評価していくわけです。
そしてその結果から、次回の「授業」でやることを、スタッフの意図をもって組み立て、でまた、どこができたか、どこができかけているか、どこができなかったか、を見て評価する。そこで前回の自分の評価が正しかったのかどうかもわかり、修正できる。
この繰り返しです。
「自由活動」も大事なインフォーマルなアセスメントの時間です。そのお子さんが何に興味を持っているのか、どういうふうに遊べるか、あるお子さんが他のお子さんと関わっている時に、どうコミュニケーションしているか、あるいはスタッフにどんなコミュニケーションをしてくるか、その時こちらのある意図を持った対応にどうこたえてどう行動するか。
すべてが評価の対象です。
もちろん気張ってやる必要はなく、気楽にやればいいのですが。
フォーマルなアセスメントもインフォーマルなアセスメントもたいへん大事なものです。しかし世の中一般としては「フォーマルなアセスメント」を重要視しすぎ、それで「全てがわかる」と誤解しがちです。
ある私の尊敬する小児精神科医は「私が教師ならフォーマルなアセスメントはいらない」と言っておられました。その通りです。もともとお医者様ですから診断に関する知識はあり、かつこのお医者さまは実践の知識もあるので、毎日の暮らし全てから評価ができるのですから。
フォーマルなアセスメントというのはあくまでも「専門家が短時間でその方の特徴を掴み出す」ためのものです。しかしそうは言ってもフォーマルなアセスメントが大切な場合が私が思いつくのに3点あります。
1.医療的な情報がわかる。
(ダウン症の場合、頚椎に問題はないかなど)
2.本人や周囲がいったい何がどうなっているのか
わからず、「親のしつけ」本人の「反抗」や「怠け」
のせいで問題が起こっていると誤解している場合。
(診断の元、とも言えます)
3.公的なサービス(税金を使う)をする時に、官公署
が説明責任を果たす必要がある場合。
また初めてお会いする人については、事前にフォーマルなアセスメントの情報があればたいへん役にたちます。SOWERにあるお子さんのテスト結果の報告など、そこに書かれている意見はたいへんまっとうだと感じました。ただし、一般の親御さんなどが読んだ時に、どう具体的生活に反映させればいいか、はわかりにくい部分があるな、と感じました。なかなかむつかしいものです。
ここから先日のSOWERの「個別支援計画」の話に関係してきます。
前回書いたように、日本では文部科学省系(教育)より厚生労働省系(福祉)の現場で「個別支援計画」がより早くから実施され、理念が浸透してきました。
本人の願い、家族の願い、各フォーマルなアセスメントとインフォーマルなアセスメントに基づいて、お子さんについて長期目標をたて、そしてそれを目指すための短期目標をたて、具体的な手立てを書いていきます。
SOWERでも「個別支援計画」をたてることは義務です。(たてないとお金が出ません・・・)
そして、これは直接お子さんにかかわっているスタッフさんが計画をたて、それに基づいてやってみて、修正が必要であれば修正し、書きためていくものです。
私(kingstone)もいくつかの例を書いてみますので、それらを参考に(あるいは参考にせず)またみなさんも書いて下さい。ご相談にはいつでものりますので。
(具体的なことは別紙で)
posted by kingstone at 22:23|
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特別支援教育や関わり方など
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