いい天気ですが、西の方に雲がわいています。
ー秋月龍a著 一日一禅より kingstoneちょい変えー
梁の武帝は達磨大師に相見して「無功徳」の問答があってのち、改めて問うた。
武帝「真俗二諦(出家・俗家の真理)を止揚した聖諦(せいなるしんり)の根本義とは何か」
達磨「廓然無聖(かくねんむしょう。からりとして聖などということもない)」
武帝「朕(わたくし)に対しているのは誰だ」
達磨「不識(しらぬ)」
達磨は機縁かなわずと見て、北へ去った。
その後で武帝お気に入りの宗教顧問の宝誌とのやりとり。
宝誌「陛下はあの方を誰とお思いですか」
武帝「不識」
宝誌「(にやりと笑いながら)あの方は陛下がかねて信仰しておられる観音様ですよ。わざわざ陛下に仏心印を伝えに来られたのです」
武帝は後悔し勅使をたてて連れ戻そうとした。
宝誌「今さら使いを出してもむだです。全国の人が行ってもあの方は帰ってこない」
後に武帝は碑文に書いた。
宝誌「ああ、これを見て見ず。是に逢うて逢わず。之に遇うても遇わず。今も古(いにしえ)も之を怨み之を恨む(自分はせっかく達磨大師にお会いしながら、真の大師を見ることができなかった。昔も今もこのことをただただ恨みの思う)
「ああ、これを見て見ず。是に逢うて逢わず。之に遇うても遇わず。」この感覚はよくわかります。「見る」「逢う」「遇う」いずれも、こちらに一定の力がないと相手の力を測れないというか・・・
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