「兵庫・大阪における触法障がい者支援の現状と展望」
という研修の案内が出ていました。私も興味があるので申し込んでみようと思いました。で、申し込み先が「サポートセンター翔(はばたき)」となっていました。あれ?これ「ここいいよ」と聞いていた知的障害の方のための施設じゃなかったっけ?
お電話をかけるとまさにそうでした。で、無理(突然思い立って電話し、しかも「できるならば案内の方無しでプラプラと見まわりたい」とお願いしました)を言ったにもかかわらずお受けして頂けました。
ここです。写ってた車は消してます。逆光で見難くてごめんなさい。
全景。これも車は消してます。ほんと逆光でごめんなさい。
JR魚住駅からプラプラ歩いて20分で着きました。最初から土地勘があってさっさと歩けば15分かな。
着くと「サポートセンター 翔 事業概要」というプリントを用意して下さっていました。そこに
2.全般事業方針
というのがあり、そこの小項目に
1.各個人の生活ベースに合わせた日課(生産/作業)の提供
2.各個人の健康と体力の維持向上
3.個々の日常生活力の創造と回復
→個別支援計画に基づいた利用者支援の展開
もちろん同じようなことを書いてある施設はたくさんあると思いますが、私はプラプラと見学させて頂いて「ホンマにしてはるなあ」と思いました。で、強く「本人を中心におく」をやろうとしてはる。
例えば、昼食時。大食堂でたくさんの方が落ち着いて食堂で並んでその日の食事を受け取り、席に持って行って食べておられました。
で、その時、たまたまドアを隔てたところにあるショートステイ用の部屋を案内して下さったのです。そしたらそのショートステイの個室(3部屋)の前の小ロビーみたいなところで食べてはる方もおられました。ここは大部屋より落ち着いた感じになります。(大部屋だって十分落ち着いてはりましたが)つまり大きな部屋で一緒に食べるのがむつかしい方はそちらで食べてはるわけですね。つまり「個人に合わせて」はるわけ。
そうそう、大食堂にいたらヤギさんが覗いてました。
なお、みんなが通るところにあるホワイトボードに「kingstone(実名)先生が来る」と書いて下さっており、みなさんに「好きに見せてあげて下さい」と連絡して下さっていました。で私は受け付けで自己紹介は実名名刺をさし上げてましたが、名札は「キングさん」と書いたのを胸につけて見学していました。利用者さんが何人か私に関わりに来られて「キングさん」と呼びかけて下さいました。
私が食堂で買ってきたパンを食べていたら食堂の方が「お味噌汁はあるからどうぞ」と言って下さったので、ありがたくおいしいお味噌汁を頂きました。
午後はみなさんいろんなクラブ活動に出て行かれます。図書館など外部資源も利用されます。それ一緒に行って見たいなあ、と思っていたのですが図書クラブは車で出かけるとのことであきらめていました。そしたらちゃんと私の車の席も用意して下さってました。でホワイトボードの配車表に「キングさん」と書いてくださってました(笑)めっちゃ嬉しかったです。
でまず行ったのが
加古川海洋文化センター
ここの2階に図書室があります。
ところが・・・海洋文化センターは開いていたのですが、図書館は蔵書整理でお休み!で、まあある方は海洋文化センターの視聴覚教材を見たあと、図書館へ向かいます。私と翔の職員さんは「行ってみて休みだったら納得してくれはるよね」と話していたのですが、なんと電灯はつき、自動ドアも開閉し、司書さんが出入りしながら仕事をしてはります。つまりある方が入ろうと思ったら入れちゃう。で、翔の職員さんが「小さい声」「軽くとめる」で「お休み」と言いはったけどずんずん入ってしまわれる。で、司書さんが「今日はお休みです」と言って下さいました。現場の人に言ってもらうのはとても大事。でもその方はわからずずんずん。
でたぶんいつも読む本のところまで行かれました。まあ実質入れるんだから別に見てもええやん、みたいなとこもあるんですが、ここはお伝えできたらと思い、大きなお世話なんですが、私がしゃしゃり出てしまいました。
私の手帳を取り出し、今日は2月の1日なので、私の見開き1週間の「1月30日〜2月5日」のところを開き、2月1日のところに本の絵と「おやすみ」と書き提示。撃沈。本に手を出そうとされます。私は両の掌を見せて止める。
次に「次に読みに来れる日を示さないとダメだよなあ」と考え、見開き1月の2月のところを開き、2月1日のところに本の絵と「おやすみ」2月8日のところに「よめる」と書き提示。撃沈。
2月1日のところに「×」8日に「◯」。撃沈。
職員さんに「他にやれるようなことないですか?」とお尋ねしたら「散歩かなあ?お茶かなあ?」とおっしゃったので
2月1日のところの横に棒人間が歩いている絵を書いて「さんぽ」と書く。撃沈。
水筒の絵を描いて「おちゃをのもう」と書く。その方がそれを指さし、すっと立ち上がり図書館から出て行かれました。
これ、もちろん「図書館は今日はお休み」が伝わったわけじゃありません。単に「お茶に行こう」が伝わっただけです。後から考えると、ひょっとしたら、こんなこと書かずとも「お茶を飲むジェスチャー」だけで伝わった可能性も高いです。
でも私のやってることを黙って見て下さった翔の職員さんにも感謝です。
まあこんなふうに私のやることなんて「一発」でうまくいくわけじゃなく「あの手この手」を繰り出しているわけです。で、職員さんからも教えて頂きながらです。
その後、いろいろ行かれて、その方はまた2階に行こうともされたのですが、この時は翔の職員さんに促されて車の方に戻りはりました。(私は1階の受け付けのそばにATMの前なんかに置いてある整列用の支柱つきロープを見つけ、それを階段の前に置いて理解して頂けないか、やっさかもっさかしていた。それ、結局重くて動かせなかったです)
そこを出て、少し時間があったので
明石市立西部図書館
にも寄りました。
こんなふうに外部資源を利用しはるってとてもいいことだなあ、と思いました。
で全体に職員さんの士気が高いって感じがしました。決して「頑張ってる」ってんじゃなく、力、いい具合に抜けてる感じで。(頑張られちゃうと利用者さんがしんどくなったりもしますから)・・・めっちゃ上から目線の書き方かなあ・・・ごめんなさい。
でもこんな「施設」が「ある」ってことはなんか勇気が沸いてきます。
なおここは「明石蛸仙人」という統一ブランドで商品を展開されています。
神戸新聞記事
授産施設、開発力で勝負 明石の「サポートセンター翔」
明石の「永楽堂」ってとこと協力して「ノリせんべい」を商品化されてますね。他にもいろんな商品を作られてます。
ラベル:障害 支援 成人施設