いやあ、黒柳さん(トットちゃん)が昭和28年(1953年)にNHKに入り、いろんな失敗をしていく話ですが。しかし抱腹絶倒です。テレビの前で読んでいて、妻に「他所に行って!テレビが聞こえない!」と言われるくらいです。ほんま今なら診断名がつくと思いますが。
で、ある時、ラジオのガヤ(主人公の背後で通行人や周囲の人がしゃべっている様子を出す)をした後、主役の男に呼び出され
「お前の日本語は全部ヘン!」と叱りつけられた時の話。
「中村メイコの真似でも、してやがんのか?」
放送界に、うといトットでも、中村メイコさんの名前は、知っていた。でも、ラジオの声を聞いたことも、それまで、なかったし、テレビでも、まだ一緒に出るようになる前で、どんな芸風の、どんな喋りかたを、する人なのか、知らなかった。
それに、知っていた、としても、自分らしくないことをするのが、どんなに恥ずかしいか、トットは小さい時から知っていたから、するはずがなかった。その人間だけが持っている個性を、早く、小さいうちに見つけて、それを、のばす、という、トモエ学園の小林校長先生の教育方針の中で育って来たトットは、自分のものは、それが、ヘンでも、大切だ、と思って来た。それなのに、
「誰かの真似を、するつもりか?」
と、いわれた。トットは、もう少しで、涙が溢れそうになるのを、我慢して叫んだ。
「真似なんか、してません!」
先日、レディー・ガガが「徹子の部屋」に出てたけど、お互い共感するところ、あるんだろうな。
BORN THIS WAY 日本語字幕つき
ラベル:変 マイノリティ