大昔の話です。
特別支援学級にいた頃。
※これはOさんから「自立課題の指導手順」について以下のようなお願いがあって書いたものです。
自立課題(たとえばビー玉入れ、でもブロック色分け、でも玉通しでも何でも)を一つあげて、その指導手順を簡単に書いてもらえませんか?
まずその課題(もしくは類似課題)について未訓練、着席行動は形成されている、1対1の課題は一応できる。言葉は1語文程度自発する自閉症のお子さん。(一応ここでは小学部程度としましょう)の指導手順を教えて欲しいと言われた場合を想定して簡単な箇条書きで...
kingstoneです。
> 1対1の課題は一応できる。
この意味がよーわからんが・・・「どんな課題が」「どうできる」のか?
私の場合、ほんこないだ、初めて自立課題学習をスケジュールに入れた時のことを思い出してみます。
この場面、本人にどれだけの力があるのか、全然わからない状況で、そのアセスメントも兼ねていました。
まず自立課題学習を教える、という場合、大事なのはスケジュールで「自立課題学習の場所に行ってする」ということがわかり、その場へ行ったらワークシステム(どんなふうにやっていったら良いかがわかる手順やしくみ)を理解して一人で作業(学習)でき、その後スケジュールに戻れる、ということかな、と思います。(実は課題の中身はあまり問題では無い)
スケジュールボードを用意。縦に
「自立課題」
「休憩」
「自立課題」
「休憩」
「交流学級へ」
(注・もちろんシンボルや絵や字など・・・現在はこのお子さんの場合「色」が重要)
と並べておく。
壁に向けて机を二つ並べ、机の右にはイスの上にダンボール箱(終了ボックス)を置いておく。(これは床の上だと、距離ができ、終わった教材を投げ入れる形になるため。そっと置けるようにイスの上に置いて距離を短くしたわけ。イスの上にダンボール箱を置くと、丁度開口部が机の高さと同じになりました)
左側の机の上にはカゴに入った教材を2つ用意しておく。
カゴは上下に重ねておく。カゴの下にはトランジションカードを置いておく。(この場合はカゴの上下のワークシステムでやってみようということ)(別に3つでもいい。現在は5つ6つやってる)正面には「勉強」カードを入れるところを作っておく。
トランジションカード(この時は青色のカード)を渡しながら「スケジュールを見てね」(勉強だよ、でもいいのかな?)と言う。
初めてだからどうやっていいかわかんないから、私の手で青色のカードをその子の手に握らせて、そのまま軽く引いてスケジュールの所に連れていく。
トランジションカードの受けを作ってあり、そこには同じ青色のカードを貼っているので、それに注目させつつ受けに一緒にカードを入れる。
スケジュールの一番上の「勉強」カードを手に握らせ、机の所に行く。受けに入れさせる。
座ることがわからないから、イスを引き軽く肩を押して座らせる。そして彼の手をとって、右にあるカゴの上の方を持たせ正面に持って来る。中の教材を手にとらせる。
教材の最初の部分を一緒にやり、すぐに私は後ろに引く。
まだ躊躇しているようなら、また少し手伝うが、できる限り引く。(ここらへんの呼吸・・・文で伝えるのが難しいなあ・・・実際に指導しているのを見て頂いたらよくわかると思うけど・・・)
教材を完成できたら、手を取ってカゴに入れ、そのカゴを右側にある終了ボックスに入れることを教える。
下のカゴを同じようにやり、終了。
教材が全部終わった時点で「やったねえ」とか「すごいね」とか言って褒める。
トランジションカードが残っているからそれに注目させ、手に取らせ、スケジュールのところに戻らせる。
最初の「スケジュールを見てね」から教材が終わるまでの「やったね」の間は身体的プロンプトや指さしで指示し、音声言語は使っていません。
で、このお子さんの場合は、その日の2回目以降は、かなりプロンプトを外すことができました。また、たまたまですが、教材もほとんどひとりでできるようになりました。で、相棒がびっくりして下さったわけね。
・・・・全然「簡単な箇条書き」とちゃうなあ(爆笑)