大昔の話です。
知的障害特別支援学校にいた頃。
kingstoneです。
昨日J君が初めて自閉症児託児活動「れもん」に参加しました。
J君学校ではいろいろな問題行動で周囲を困らせています。
でもそれって・・・・(もちろん本人が一番困っている。そうしているのは・・・)
というようなわけで保護者の方には研究会に、J君は「れもん」に是非参加して欲しい方でした。
ボランティアは私の学校の旧担任が来て頂けたらその方に
お任せして、で今後のことを考えて副担当として学生の○○さんについててね、とやるつもりでした。ところが旧担任さんお仕事がどさっとあって来れなくなってしまった・・・
で、迷ったのですが、かえっていいかもしれない、と○○さんにお任せすることにしました。
で、先程○○さんの報告書(活動が終わったあとに書くもの)を読ませて頂いたのですが、J君のことがよくわかります。えーーっと、どうわかるかというと
「初めてのところに来てすごく緊張している。恥ずかしがりである」というようなところですね。
で、その彼に対して○○さんは何とか関わろうとするのだけど、どう関わっていいかわからない、という感じだったと報告書にあります。
よくわかります。
最初、本当に目を合わせなかった。でも、最後の方では少し慣れてきたのか目を合わせるようになった、ということです。
で、途中プールサイドで別のボランティアさんと話をしている時、私は見事に彼に突き飛ばされてプールにはまりました。私はこれは無視しました。
また彼が「私に」水をかけて来ましたが、これも無視しました。
彼は不特定の人をねらっているのではなく「私」に関わって欲しくて水をかけて来ていると思いましたから。
途中、休憩の時、ちゃんと上がってベンチに座っているのが見えました。私はすぐに近寄って肩をとんとんしながら
「えらいなあ。ちゃんと座って休憩してるやん」と褒めました。
すると彼は「J君、えらい」と言ってました。「わからないからエコラリア」かもしれないですが、「まったくわからない」というよりも「あれ?なんでほめられてんだ??」という感じであったように思えます。
ところが休憩が終わってみんながプールサイドに行った時に、J君はK君をプールに突き飛ばしてしまいました。ボランティアさんがK君を助けに行くのを見て、私はJ君の両手を捕まえました。そして正面に見据えるようにしました。
「友達を・・・」とまで言ってからどう言おうか一瞬迷いました。
「突き飛ばしません」J君は自分で言いました。
私が「友達は・・」と言うと「やさしくします」と答えました。
とても悲しくなりました。たぶん同じことを繰り返し、同じことを言われているのでしょう。この悪循環を断ち切りたいのに、その悪循環にはめられてしまった悔しさ。
悪循環に見事にはまってしまったかな、とも思いました。しかし何とか伝えたいとも思っていました。言葉にすれば「お前はいい奴なんだよ。こんなことしなくても大丈夫なんだよ。だからこんなことしちゃいけないよ」
それを形としては「厳しく叱る」という形で。
(でも、大声であったりはしなかったと思う)
しばらくの間があってから、ニコッとしながら「さあ泳ぎ」と言って手を離すとさっと泳ぎに行きました。
しかし○○さんによると「少し落ち込んだようだった」ということでした。
帰りにお母さんに、研究会の感想をお聞きし、そしてまあ「悪いこともいいことも報告する」ということで、一応あったことを報告したのですが、うーーむ、本人が横にいたのは良くなかったな、と思います。もちろん「いいこと」「希望が持てること」を主にしたつもりはありますが。
今後ともつきあっていく中で、いい循環を見つけていきたいと思います。
そして○○さんについてもらったことは「変に警戒しない」という意味でたいへん良かったのではないか、と思いました。
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追記
残念ながら、J君とお母さんはそれ以後は参加されませんでした。研究会のその時の講演内容も応用編でありすぎたような気がします。そして何よりも私の報告がまずかった、と思いました。