「専門医と話を、自閉症、アスペルガー、広汎性発達障害って完全に別物なニュアンス」
という発言へのレスポンスから始まっています。
Wikipedia(笑)ですが http://bit.ly/272kUb 広汎性発達障害という集合の中にそれらは含まれます。
(注・広汎性発達障害の中にはレット症候群も含まれ、これは自閉症と違うだろうな、という印象は持っています)
ある程度昔を知ってるものとして、昔は「自閉症」という言葉が忌み嫌われていたということ。それと成長に連れて診断名が変わっていくこともよくあるのでお医者様がより広くカバーする概念を使ったなど、いろいろ理由があるかな、と思いますね。
しかしそのために必要な支援にたどりつけない、ということもありそうです。まあ最近は「広汎性発達障害」と題名についた本でもいいものがあるかもしれません。しかし、高機能広汎性発達障害って言葉を見た時には・・・高機能自閉症そのまんまやんけ、というやつで。
発達障害に関する診断名については、もう歴史がいろいろありますね。「自閉症」(いわゆるカナータイプ)という言葉は古くからあり、しかしお医者様も言ってはいけない言葉だと思っていた。また知的に少し高いタイプは私の知ってる範囲では「微細脳損傷」が古いかな。
私の体験した範囲で「自閉症と言ってはいけない」と思っていたお医者様 http://bit.ly/c5Rrm1 「保護者に自閉症と言ってはいけない(育てる意欲を無くすから)」と言っていた超有名教授 http://bit.ly/99Jnzm
で微細脳損傷には今でいうADHDかな?って感じですね。
実のところ「自閉症」の語の始まり(語源)はよく知らないです(アセ)統合失調症の自閉とよく態様が似ていたので「自閉症」と呼ばれたというようなことを聞いたことはありますが。
自閉症と言われたら「育てる気力が無くなってしまう」というのに対しては、お医者様は診断する時に、どんな手だてがあるのか。どんな制度があるのか。どんな「楽しい」生活があるのか。それを示してあげないと。
ま、お医者様は大方針を出して、詳しくは手だては特別支援教育担当者、制度はケースワーカーとかの担当になるかな。特別支援教育担当者はジェネラリストとしていろいろなことを広く浅く知っておいて欲しいけど。
で、知的障害の無い(?)人でもカナータイプみたいな特徴のある人がいることがわかった。それを報告したのがアスペルガー。でもその報告は埋もれてたけど再び光をあてたのがローナ・ウィング。
アスペルガー症候群と高機能自閉症という言葉については、私なんかには同時に入ってきてます。学校現場でそういうお子さんがいるなあ、ということが私の周囲で話題になってきたのは2000年頃から。
そういや私が初めて学習障害(これも微細脳損傷と言われていた子の一部も入るかも)という言葉を聞いたのが1993年頃だったんじゃないかと思います。最初に聞いた時、私自身、「それって教師の授業が下手なだけちゃうの?」と思っていた・・・
で学習障害・自閉症・高機能自閉症(アスペルガー症候群)・ADHDなんかが「発達障害」という言葉でくくられるようになったのはごく最近というイメージがあります。
ただ学習障害については教育界で言われるのと、医学で言われるのとは相当違う。教育界では何らかの理由(障害)で勉強ができないと学習障害と言ってきた感じがある。
で、広汎性発達障害って言葉は診断の揺れが起きないように広い網をかぶせる意味と、忌み嫌われる「自閉症」という言葉を使わずに保護者をちょっと「嬉しく」させる、という2つの意味があるようです。しかし昔は「広汎性発達障害」という言葉で調べても良い支援は無かった。今は良い資料があるかもしれません。
「良かった。うちの子自閉症じゃなかったんだ。広汎性発達障害だったんだ」というのは苦い笑い話です。
そういう経緯があって、広汎性発達障害と診断された方に、私は「支援の方法は自閉症・高機能自閉症・アスペルガー症候群といったキーワードで調べるといいかもしれません」と言うことが多いです。
ちょっと「大きなお世話」かな、とも思いつつ、またひょっとして感じておられるかもしれない「喜び」に冷や水を浴びせることになるかも、とも思いつつなのですが。