知って得する!(新)名医の最新治療
「アスペルガー症候群」
見出し 症状に応じた本人の「困り感」を軽減し自分らしく生きられる環境づくりを
本文インタビュー
昭和大学烏山病院院長 加藤進昌医師
東京大学病院こころの発達診療部長 金生由紀子医師
コラム
福島大学大学院人間発達文化研究科教授 内山登紀夫医師
まあざっとした紹介記事です。
記事と表に少々ツッコミを入れます。語ったお医者様の問題なのか記事をまとめた記者の問題なのかはわかりませんが。
「AS(アスペルガー症候群)とは、知的障害をともなわない自閉症の一種で、『社会性の欠如』『コミュニケーション能力の欠如』『強いこだわり』の三つの症状を特徴とする発達障害だ。自閉症や高機能自閉症と同じような特徴を持っているため、『広汎性発達障害』などと呼ばれている(表参照)。」
となっています。一般的には妥当な意見かもしれません。で表があるのですが、自閉症と高機能自閉症の集合があり、アスペルガー症候群はその集合と重なりつつも別の集合として描かれています。そしてその外側に特定不能の広汎性発達障害の文字がある。一見特定不能の広汎性発達障害がすべてを含んでいるのかな、という感じ。
ここらあたりの診断名についてはまた別エントリにしたいと思いますが、診断名として自閉症とアスペルガー症候群を分ける意味ってほとんどないだろう、というのがひとつ。このあたりについては内山さんもコラムで少し触れられています。
また、広汎性発達障害は「自閉症」という言葉を使いたくないという心理のもとに使われてきたのじゃないか、という疑いが私にはあります。実は表のようには別れるものでは無いのじゃないか、ということ。まあ「呼ばれている」というのは間違いではないし、広汎性発達障害にはレット症候群も含まれる、ということはありますが。
それから加藤医師の話として
「現在、ASを根本的に治す薬はありmせん。気分の落ち込みや睡眠障害など、二次的な障害に対して薬を処方することはありますが、治療法としては集団のなかでコミュニケーションスキルをみがく訓練をするしかありません」
これは加藤医師がこうおっしゃったのか、記者がこうまとめてしまったのか・・・。
「集団の中でコミュニケーションスキルをみがく訓練」というのはソーシャルスキルトレーニングのことを言っているのだと思います。確かにその必要性は言われ、いろいろな所でいろいろな形で試みられています。それがいい場合も多いことだと思います。
しかし、別に1対1でもできるし、人によってはそれこそ本を読むだけで学んでしまう人もいるかもしれません。もちろんコミュニケーションスキルと言う以上、ネットの世界であれ、リアルの世界であれ、誰かに向けてのものになるから「集団」という書き方になるのか・・・
またコミュニケーションスキルの解決は大きいかもしれないけれど、他のスキルも必要かもしれない。なんて言うか
「しかありません」って書き方は、そりゃ無いやろう、と思ってしまいます。
それとコミュニケーションをする時に、音声言語だけでなく、見てわかるものを用意するといい可能性が高い、ということについては触れられていないなあ。文とか図とか、もちろん人様々でしょうが。そこいらも書いておいたほうがいいのではないかなあ。ここら辺りも「しかありません」と書かれていることへの違和感でもあります。
もちろんソーシャルスキルトレーニングの時に、プリントを用意したり、図表を用意したり、ホワイトボードに図を描いたりと、全て並立できることなのですが。