大昔の話です。
知的障害特別支援学校にいた頃。
まず、私は特段の勉強をした者でもなく、たかだか、TEACCHのセミナーを何度か受けた、職場では浮いている、単なる一教師である、そのような者の話であることをご承知おき下さい。
Q.3 TEACCHのセミナーでは課題(作業)の学習をしている時には話しかけない、褒めない、と聞きましたが本当でしょうか。
A.3
違います。しかし、そう誤解する方がいる危険性はあります。
課題の学習で「ひとりでやる(自立課題)」と「教師とする(1対1の学習、その他)」とは明確に区別します。
「ひとりでやる」というスキルは将来の生活にとってたいへん重要です。そしてそれを教えるためには人からの音声言語による指示なしでできることを目指します。そこで作業中に援助に入る際(これもできるだけ少なくすむようにしますが)に、音声言語を使わないように教えられます。
しかし、一通りの学習が終わり、休憩に入る時(つまり一仕事終えた時)はおおいに褒めることが推奨されます。でもこれは黒子として介助に入っていた人以外の人が褒めるほうがいいかもしれないなあ・・・黒子は黒子だし。
追記
賞賛についてはこちらも。中に少しだけ賞賛に触れたところがあります。
自閉症やアスペルガー症候群の人自身の選択・決定と社会適応について ただこの「一仕事終えた時」のことは私がセミナーで質問して教えてもらったと思います。(でも確かどっかの本にも書いてあったような気もしますが・・・)とにかく「声をかけちゃいけないんだ」ということしか頭に残らない受講生がいる危険はあります。
1対1の時は声かけや賞賛もします。
また普段の生活でも、TEACCHの講師の先生も声かけ、話かけをする場面も多いです。もちろん相手を混乱させない、という点には配慮してですが。
ただし、自閉症の方は音声言語の情報処理が苦手だ、混乱させることもある、という話を聞いた受講生が「じゃあしゃべりかけてはいけないんだ」と誤解する場合もあるかもしれません。
でも私は1999年の夏、京都で開かれたセミナーでTEACCH部のどっかのディレクターであるJack Wall氏(髭のジャック)が自閉症のお子さんによく声をかけているのを見ました。(日本人の自閉症のお子さんに、英語でですが(笑))
で、セミナー終了前日の懇親会で「私はあなたが自閉症のお子さんによく話しかける「普通」の人であることを知れてたいへん嬉しい」(逆に言うと「話しかけてはいけないのかな」と私も思っている点があったわけですね)と言ったら「私の口にチャックをしろと言っても、それは無理な話だ」と言って笑ってました。(注・英語でしゃべったので正確にはお互いどう言ったか忘れた・・・)
自閉症の人に音声言語で話しかける
posted by kingstone at 10:05|
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特別支援教育や関わり方など
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