恋する天才科学者/内田 麻理香

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まあ何て言うか、ゴシップ趣味で借りて来ました。初めて知ったこともいろいろありました。
この本に出てくる中で「みんなとはちがった人たち 自閉症の英雄のこと」にも出てくる人はアイザック・ニュートンとアルベルト・アインシュタインですね。
ニュートン(1642〜1727)がペストが流行った時(1665)にリンゴが落ちるのを見て(?)万有引力を発見した、というエピソードは知っていましたが、その1年半ほどの間に微積分学、運動の法則、光の粒子説など、ほとんどの成果を出している、というのは知りませんでした。
「恋」の方は生涯独身だったし、浮いた話は無かったとか。しかし王立教会会長にもなっているし、造幣局長官・国会議員もやっているということは、人間関係もそう悪いということは無かったんだろうな。
ハンフリー・デーヴィ(1778〜1829)という名前は初耳です。
王立研究所に招かれるけど、ここは「科学の一般講演」も仕事のうちで、デーヴィは、毎度満員御礼の大盛況で、特に貴婦人方に大人気だったとか。瀕死の重病になった時には1時間毎に病状が研究所の門に掲示され、心配した女性たちが研究所に膨大な電池を寄付したと。すげえなあ。
アルベルト・アインシュタイン(1879〜1955)が「女グセが悪い」というのは知らなかった。いやはやなエピソードが満載です。「上半身は考えたり計画したりするが、僕らの運命を決めるのは下半身」という言葉も残しているそう・・・
P141
「三歳になっても話をするようにならないので、両親は発達に問題があるのではと心配になり、医者に連れて行ったくらい。(中略)小学生の頃から「のろまな子」と先生や同級生から思われていました。
それに、暗記科目は大の苦手。今だったら『学習障害児』に分類されていたでしょう。それだけではありません。アインシュタインは「キレる」子どもでした。被害者は主に三歳年下の妹のマヤ。(中略)後年マヤは『天才の妹でいるには頑丈な頭蓋骨が必要』と語っています」
う〜ん、少し前の日本の学校だったら「学習障害」と名前をつけた可能性がありますが、今、お医者様だったらこの名前はつけないだろうな。
ニールス・ボーア(1885〜1962)
弟も数学者。揃って文武両道で、弟はサッカーでオリンピックで銀メダルを取った時にデンマーク代表レギュラーで、ボーアは補欠だったって。でも代表で補欠ですから。
有名なアインシュタインとの論争。
アインシュタイン「神はサイコロを振らない」
ボーア「しかし神がいかに世界を支配されるべきかを指示することは、われわれの課題ではありません」(「部分と全体」みすず書房)
アインシュタインの方は知ってたけど、ボーアの方は知らなかった。理解できないけど、カッコイイなあ。「恋」の面ではよき家庭人であったそうです。
エルヴィン・シュレーディンガー(1887〜1961)
「私とベッドを共にした女性がその結果、生涯私と一緒に暮らしたいと願わなかったことはない」(シュレーディンガー その生涯と思想」培風館)
をい!
ヴォルフガング・パウリ(1900〜1958)
パウリ効果(触るだけで(側に寄るだけで)機械が壊れるというマーフィーの法則みたいなもの)で有名だって。まじな科学的業績は「パウリの排他律」こっちは説明を読んでもわからない。
離婚後まもなく深刻な精神的危機に陥り、C・G・ユングの治療を受けます。それで最初は
「私にとっては学術上の業績で成功することの方が、女性と上手くやることよりも簡単なのです」
と書いていたのが、「生まれ変わった」ようになり、結婚もし、不倫もし
「若い頃は物理学は易しいが女性との関係は難しいと思っていた。でも今は、まったく逆になってしまった」と話したとか。
ロバート・オッペンハイマー(1904〜1967)
原爆の父。
恋には関係無いですが、大学院で実験物理学を専攻し、「ハンダ付けもできない自分の不器用さに苛立ったオッペンハイマーは、壁に頭を打ち付けるなど異常行動が目立つようになり、精神科医に通うことになります」
へえ。当時の実験物理学者はハンダ付けが必須の技術になってたんだ。
いや〜、ゴシップ趣味を満喫させてもらえました。
ゴシップ趣味と言ったらこんな本も。
ユングをめぐる女性たち/マギー アンソニー

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