※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年06月27日

私をつき動かすもの

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。



 kingstoneです。

 Oさん、□□さん、レスありがとうございます。
 
 >いつもメールを拝見させてもらって、こんなに活動されている
>kingStoneさんをつき動かしているものっていったい
>なんなんだろうと、思っています。

 悔しいじゃないですか。

 あの手この手を使えばすごくコミュニケーションできるお子さんに対して、配慮の無い環境や関わりで混乱させ「ああ、やっぱり自閉症やから仕方ない」とか「自閉症はむつかしい」なんて言われるの。

 しかし、私自身がそうでした。

 今の学校に来て「何かおかしい」と思いながらも、何をどう考えていいかわからなく、もし卒業後の施設や社会が「威嚇」で動かすところなら、学校時代にそれでちゃんとしつけておかないといけないのかなあ、と思っていました。(先輩はほとんど威嚇でしたし)

 1996年の秋でしたか、障害児教育フォーラムの△△さんに「北海道のAAさんが来るから京都に遊びにおいで」と誘って頂いて児童福祉センターのお医者様のBBさんやTEACCHプログラム関西支部の北部(現在の京滋支部)事務局をしてはったCCさんなどと会わせて頂くことができました。(△△さんは研究会にも来て頂けここにも参加しておられます)

 でも、その時はBBDr.に「「自閉症治療の到達点」とか読んで、もっと科学的にやりなさいよ」と言われたのに「子どもたちが出ていく先が威嚇で動かすところなら、学校時代にそれをしつけなきゃ」と学校文化の立場(?)から反論していました。

 1997年5月に現在の京滋支部の例会で服巻智子先生の講演を聞き、視覚支援の大切さを知り、A君C君にすのこの上でなく横で靴を脱ぐ、というのを視覚的てがかりをつけてやってみたら今まで叱っていたのが嘘みたいにすっとできちゃった、という経験をしました。

 そして1997年10月のセミナーで自閉症のお子さんが、視覚的支援を手がかりに音声言語でコミュニケーションしたり、自分で判断して動けたり、というのを目の当たりにさせて頂きました。

 で、お子さんが理解できてきて、いろいろやってみると「わあ、自閉症の方とつきあうのってすっごく楽しいやん」というのがわかってきました。

 でも私の学校でも周囲の学校でも、お子さんの特性を理解せずに混乱させるという悲しいことをいっぱい見たり聞いたりします。ほんと何とかしたい、という気持ちになります。

 > カードを使っている「下手」な教師より、使わない「上手い」教師の方が「良い指
 >導」を行っている場合もあります。

 これやけどね、私は「カードを使っている「下手」な教師」です。

 もちろん「カード」だけでなく、あの手この手いろいろ使いますけど。
 でも「「下手」な教師」です。
 たいていの先生は私より「上手」です。
 だから私は自分のことを「情けない教師」と呼ぶわけね。

 でもね・・・時に、その「上手」な方は他を批判しはります。

 同僚であったり、保護者であったり。

 違うやろ。ほんとに「上手」であるのなら「下手」な人でも、うまく関係が作っていけるような具体的なあの手この手を教えんかい。それによって「上手」になっていくわけで。

 私に「何も知らない若い人(別に上手でなくていい)」を何人かつけてくれて、カリキュラムも独自でやっていい、ということになれば私はお子さんにとって「いい環境」を作っていく自信があります。

 例えば今回発表された○○さん。TEACCHに批判的な人たちは

「いやあ、○○さんの人間性が良かったから、TEACCHを使ったにも関わらず良くなったのよ」とおっしゃるでしょう。

 違います。TEACCHを知らない段階では、混乱しているお子さんに無理矢理体操服を着せたりとか、体力勝負でやってはったのです。そしてそれが続いていると「○○さんは人間性が駄目なのよ」と陰で批判するでしょう。あるいは「あの人は子どもを見る目がない人だ」と。

 「人間性」「愛」それはみんなあるんだ、というのが私の主張です。
 で、それを発現できる具体的な方法を伝えることができないといけないのだ、ということですね。

 そういや小枝先生こんなことを言ってはりました。

「某県の方も私のところへ来ておられる方がいますね。その保護者の方はTEACCHが上手になられて、教師にも「こうやって下さい」と言い、すごくうまくいっています」

 某県の人が鳥取まで行かないといけないというのも情けないけど、でも良かったな、と思います。「保護者が勉強して教師が振り回される」というような言い方をさんざん聞かされたあと、この小枝先生の話はすっとしました。


 > まぁ、私はそれを聞いて、シンボルの弁別についての研究をしようと
 >思ったわけですが^_^

 よろしくね。写真そのものではなく、白抜き写真にする、とかいうのほんまええと思います。


PS. でもね、ほんま派手な宣伝は今回限りにしようと思っています。
  いささか私も疲れました。



posted by kingstone at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

特別な両親(3)つけたし

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 kingstoneです。

 ○○さんが、転載許可と同時につけたしを送って下さいました。
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出典は、July 2000 Exceptional Parent Magazine

Supecial Thoughts というコラムで、

原題は’A special parent shares what she has learned’
(彼女、というところを、私の訳では’−私が・・・−’としました。)

作者は、Gay Robin Labrum(Josuaくんの母です。)
原本の中では、Josuaは、という表現がたくさんありましたが、
それを「子どもは」にかえて訳してあります。

訳は、そのように、わかりやすいようにと思い、
厳密に逐語ではありませんので、その旨ことわってください。
また、意味を間違える怖れのあるところは、省略してあります。



posted by kingstone at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

戦いと癒し(4)癒し 全体会にて

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


※このエピソードは他のエントリーで書いています。そちらは細かい点(いや大きな点もか?)が違っていました。でもまあそちらも残しておきます。

 kingstoneです。

 しかし、顔では笑っていても、私にもすごいストレスがかかっています。
 昼休みは、(たぶん神経性の)下痢で何度もトイレに飛び込みました。

 午後の記念講演、どうしようかな、と思いました。
 でもまあ折角やしなあ・・・・

「教育現場で情緒的不適応を起こしている発達障害児をどう理解するか」
〜学習障害(LD)・ADHD・自閉症を中心に〜
鳥取大学教育地域科学部
人間教育講座障害児病理学教授
小枝 達也 先生

 ものすごくわかりやすくかったです。そして一枚のスライド
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特発性の自閉症     脳障害による自閉症
  ↓            ↓      
語用論からのアプローチ   行動療法(応用行動分析)
  ↓            ↓      
 インリアル        TEACCH
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特発性の自閉症とは高機能自閉症とかアスペルガーでそういう人たちにはインリアルがいいのではないか。

 知的な遅れがあるタイプの自閉症の方の場合は、TEACCHがいいです。TEACCHをやっいる方は「単なる行動療法では無いという言い方をしますが、まあそうかなあ。TEACCHでは「できることはなんだ」そしてそれを組み合わせて「できあがる」とやるので知的に重度な方にもいいです。重度であればあるほど適用かもしれません。私は最近重度な方に会うのも怖くなくなりました。
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とおっしゃいました。もちろんつっこもうと思えば、小枝さんがおっしゃる「インリアル」はよくうかがうと場を設定して言葉使いのおかしいところを直していく、ということで、これだってTEACCHの中にあったりしますけど。

 でもとても嬉しかったです。これだけの人たちが聞いているのだ、と思うと。記念講演ですから参加者全員が聞いていますから。(A教授は聞いていないでしょうけど)

 ああ、すーーっとしました。
 確実に援護射撃になっていると思いました。

戦いと癒し(1)過去の因縁
戦いと癒し(2)分科会にて
戦いと癒し(3)分科会の協議の時にした情報提供
posted by kingstone at 09:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

戦いと癒し(3)分科会の協議の時にした情報提供

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 kingstoneです。

 私が自閉症分科会の協議の時にした情報提供の内容です。

 ○○先生の実践報告については、かなり以前からお聞きしておりました。

 一番最初に報告して頂いた時、最初はお子さんを理解することができずにたいへんやった時のこと、一泊二日のセミナーに参加されてのち、実践しつつ少しずつ理解できていかれたこと、自分自身のこととつい重ね合わせてしまい、涙があふれてくるのを止めることができませんでした。
 
 ○○先生の出られたセミナーは、朝日新聞厚生文化事業団が主催しておられる「自閉症の子どものクラスルーム」というものです。TEACCHプログラムの考え方に基づいた療育について実際に自閉症のお子さんに来て頂いて学びます。また朝日新聞に、夕刊が多いのですが、お知らせが出るかもしれません。今も、大阪で自閉症の人たちのための余暇活動指導者講習会など、自閉症の方に参加して頂いてやってはります。またいろいろな研究会に出ておられますと、情報が入ってくるかもしれません。

 某県でも一泊二日のセミナーは1997年から1999年の3年間、某所で開催されました。

 1997年に私も参加させて頂きました。

 たとえば子どもが「わかっているのに」「やらない」のだとしたら「なまけ」「さぼり」「反抗」だったりということになり、それに対してはまあ「威嚇」などの指導もよく見たりします。

 でも勉強を続けていろいろわかってきました。

 まあ私もうまくいったり、失敗したりですが。

 そしてよく非難もされます。でそういう時って形だけになっているような、子どものことを考えず、こちらに合わせようとしている時なようです。そうなる危険も十分あります。

 実際、私も勉強を続けてきて、実践し、やっと最近「子どもを威嚇して教育しようとしてはいけないのだ」「ちゃんとわかるように伝えあおう」ということを同僚にも言えるようになってきました。やっと今頃言えるようになった、というのが情けない話ですが・・・。また私自身、子どもに対する時、すごく下手くそな情けない教師だと思っています。でもその私でも何とか子どもといい関係を作っていける・・・それがありがたいことだと思っています。

 それでも毎日、毎日困ったことはおき、それを解決していく必要にせまられますが。

 自閉症のお子さんに対されて、困っておられる方、困っておられないのだったら、こんなもの勉強する必要は無いと思います。困っておられる方、一緒に勉強していけたらと思います。いろいろな場所で開催される研究会の資料を持って来ております。

 11月には内山登紀夫先生も来られます。

 また資料が必要な方は私に声をかけて下さい。

戦いと癒し(1)過去の因縁
戦いと癒し(2)分科会にて
戦いと癒し(4)癒し 全体会にて
posted by kingstone at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

戦いと癒し(2)分科会にて

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


※このエピソードは他のエントリーで書いています。そちらは細かい点(いや大きな点もか?)が違っていました。でもまあそちらも残しておきます。


 kingstoneです。

 今日は、大きな研究大会でした。

 午前中の自閉症分科会にて、わが研究会の○○さんの発表がありました。2月にもお聞きしたけど、現在進行形で、パニック出しまくり状態からTEACCHの一泊二日の研修に行ってから、視覚支援を取り入れ、子どもとの関係がすごく変わってきた、子どもと子どもの関係も変わってきた、というすばらしいものです。

 私も事前に原稿などの相談にのっていました。

 しかし、指導助言者がかつて私とやりあった地域の大学のA教授と聞き、嫌な予感。でも、発表者に変な先入観を与えたり、心配かけたらいけないと思い黙っていました。ところが・・・

 共同発表者の□□先生が何だか不安そうな顔で私の側に来ます。

 前日、打ち合わせの時にA教授が
「TEACCH・・・ふーむ、ひょっとしたら私、つぶしに行くかもしれませんよ」とおっしゃったということです。で、どうしよ、と心配してはりました。

 私は「ははは、大丈夫。○○さんの発表はけちをつけようがないし、火の粉は私がかぶるからね」と言っておきました。しかし・・・現場の発表に対する大学教授の言葉かあ・・・これが。

 発表はつつがなく終わりました。

 ただ、やはりみなさん全然イメージわかないみたいね。

 例えば、○○さんはきちんと「集団の中に視覚支援を使うことで落ち着いて入っていけた」ことや「友達との関係も良くなった」とかもちゃんと言ってはるのに、「いったいどうしたらいいんでしょう」と質問が出て、それに指導助言者が抽象的な答えをしていました。

 私は協議の時に「情報提供です」と断って別エントリーに書く内容を話しました。で大学教授の発言を待ちました。

 いろいろあれこれ言ってはりましたが、TEACCHに関するところはこういうことでした。

「TEACCHについてですが、最近、保護者がすごくやってほしいと欲している。それで困っている教師もいる。プロパガンダがひどい。要は一人一人違うのだ。いろいろなものをインテグレートしていけばいい」

あと、なんやかんや続きましたが、わけがわかんないのでこの程度にしておきます。

 ちょっと拍子抜けしました。なんだこの程度かあ。

 あともうおひとり、お子さんが自閉症で、自分で作業所をやってはるという方が指導助言者でした。この方は「絵カードも最初はいいかもしれないけれど、そうすると社会に出られなくなる。だからノーマライゼーションのために、使わないでいいように普通に言葉でできるようにしないとね」という助言をしてはり
ました。

 まあFAQ(よくある質問)ですね。

 もちろんこの方も実践者ですから敬意を表したいとは思いますが、ひょっとしたら視覚障害者の白状を使うな、という薄情なことを言ってるのかもしれない、ということにはお気づきになっていないし、今までコミュニケーションがとれなかった人がとれる喜びということにももひとつピンと来ておられないだろうな。

 でも、こないだのパネルディスカッションといい、なんか考える方向が違うなあ。保護者が知識を持ち、こちらも持ち、話し合い合意してやっていけばいいんじゃないのかな?

 このA教授の名誉のために言っておくと、「反TEACCH」以外の部分ではなかなかいいことを言ってはりました。(でも自閉症分科会で反TEACCH・・・・)

 さて、分科会が終わりました。
 先日の反省にもとづき出口に近いところに席をとっていました。

 そして、エレベータ前に行き、カウンターを使うと怒る人もいるかも、と地べたにプリントを置きました。そしたらたくさんの人がプリントを取って行って下さいました。

 まあただやから取っただけかもしれませんが、いややっぱり情報を求めてはるんや、と思います。「内山登紀夫先生が来られるってこれですか」なんて聞きながらプリントを持って行かれる人もいました。

 60人くらいの人に研究会・その他の資料を持って行って頂くことができました。

 知り合いのある地域の先生なんかが心配そうな顔で挨拶してくれはるので「はは、プロパガンダしてますねん」とご挨拶しました。

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追記
 「私が火の粉をかぶる」ったって何ができるわけでもないのですが(笑)

戦いと癒し(1)過去の因縁
戦いと癒し(3)分科会の協議の時にした情報提供
戦いと癒し(4)癒し 全体会にて

posted by kingstone at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする