知的障害特別支援学校にいた頃。
これは学校の先生方に読んで頂くために作ったプリントですね。
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コミュニケーションって(1)
「自閉症や知的障害をもつ子どもたちとのファミリー・コミュニケーション」
(高原淳一著・アクセスインターナショナル発行・1000円)

にこんな例が出ています。どうしたらいいか考えてみましょう。
「知的障害のために発話が無いB君が、今日幼稚園であったかけ
っこのことをお母さんにお話しようとしています。
『あのね、今日のかけっこでボク1番になったんだよ!』
でもお母さんには、ただB君が『アッ、アッ!』と声を出してい
るとしか聞こえません。『何?のどが渇いたの?ジュース?』と
質問してみても、B君は首を振り『アッ、アアッ、ア!』としき
りに訴えるばかり・・・。
『もう!何が言いたいの?忙しいからあっちに行っててよ』
お母さんにこう言われてしまったB君は、あきらめて自分の部
屋に帰ってしまいました。」
さてどうすれば良かったのでしょう。もちろんカンのいいお母
さんなら、あれこれ尋ねて正しくやりとりできるかもしれません
ね。私などはカンが鈍いので望めませんが・・・。B君の方から
伝えてもらうにはどうしたらいいのでしょうか。
まず「走る」「幼稚園」「一番」など「身ぶり」や「サイン」
で伝えることが考えられます。1番のメダルなど「具体物」があ
るなら、それを持ってくる。「幼稚園」の「写真」があってもい
いですね。「1」という数字や「かけっこ」「笑顔」「すばらし
い」という意味の「絵」や「シンボル」のカードがあってもいい
かもしれません。もちろん、そういうものがあるだけではなく、
日常的に使用して使い方がわかっている必要があります。
こういうふうに、音声言語だけにこだわらずにあらゆる方法を
使ってコミュニケーションしようという考え方をAAC(拡大・代替
コミュニケーション)と呼びます。
シンボルの例
走る

※これは私が適当に描いた。
にこにこ(嬉しい、おいしい、気持ちいいなど)

※こういうのはS&Sとか、もういろいろある。
すばらしい

※これはどこからとってきたか忘れた。