大昔の話です。
知的障害特別支援学校にいた頃。
昨日は終業式、その後学部の昼食会、
そしてボランティアグループの運営相談会とほんとめいっぱいの
スケジュールで動いていました。
今日は今から滋賀大学附属養護学校の「障害児教育工学ミニ研究会in滋賀」
に参加するために出発します。宿泊もあるけど、それはしんどいから夜帰って
来ます。
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第二部:学校現場でのコンピュータ利用等の実践交流(MES例会)
午後2時30分〜4時30分
1. インターネットやコンピュータの教育利用の紹介
・学校現場での様々な実践事例の報告
・「新米せんせいのためのかず・ことば」プロジェクトの報告と
新年度の構想
2. IEP試案の構想
・アメリカのIEPの実際と日本のIEPについてのディスカッション
3.「MES自作教材集CD-ROM2000」と、収録されたソフトの紹介
・教材開発者より解説、合評
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この二部の2.で幼稚園のIEPについて報告するつもりです。
昨日もある方から「しんどないですか?」と聞かれました。
確かに報告の準備とかしんどかったりします。しかし、今はまだましですが、
目の前のいろんなことに対して「うそやろ」「そんなはずないやろ」という
のがほとんどで、自分一人が違っている、そう感じていた時、多くの研究会に
出たこと、そしてネットワークでのやりとりが私を支えてくれました。
つまり研究会に出ないことのほうがしんどいわけです。
また今日も元気をもらって来ようと思います。
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滋賀大学教育学部附属養護学校で開かれた
「障害児教育工学ミニ研究会」に行って来ました。
簡単に(だらだらと?)報告します。
間違いがありましたら、責任は私にありますし、報告も私のバイアスが
強く入っていることをお断りしておきます。
まず受付で参加者全員に「MES自作教材集CD-ROM2000」が無料で配られました。
すごい!
第一部「6歳レベルまでの子どもの数学の学習」
滋賀大学教育学部附属養護学校のAさんの話でした。もと旅行代理店や
広告代理店に勤めておられた、というかなり異色な方です。話を聞くだけで
なく、参加者が自分で体験したり実際に書いたりするところがたくさんあって
面白かったです。そのサービス精神というのはやはり松村さんの経歴が大きく
影響しているのでしょうか。やってみることの中に「目をつぶって三つの○を
思い浮かべ、グッとひっつけて下さい。次は四つの○を思い浮かべ、グッと
ひっつけて下さい」というのがありました。三つは簡単にできたのですが、
四つの時は私の場合、なかなか頭の中で○が映像として定着しなくて少し努力
がいりました。で、多くの方がそうであったようです。つまり3から4の間に
頭の情報処理においてかなりの飛躍がある、ということが体験できるわけ
ですね。そーいや、3以上は「たくさん」で表す、という部族の方がいる、
という話は聞いたことがあるな。
こんな体験を含みながら「具体的思考」から「抽象的思考」へ、「数える」
から「頭の中の操作」への重要性(むつかしさ)を伝えて下さいました。
またどこの学校でも「ボーリング」は教材としてよく使われるけれど、数の
学習として考えた場合、4以上がむつかしくなる以上、10までの数を数え
たり、さらに引き算をさせたりとかいうのは課題として高すぎるのでは、と
いう話は新鮮でした。もちろん「倒れる音を楽しむ」とかいうんだったら
いいんでしょうけど。
後半は安曇野研究会のBさんが書いた「遠距離恋愛」というテキスト
を使い、ちょっとした言葉の使い方でいかに人間というのは不安になったり
混乱したりするものか、というのを体験する課題でした。これは「数学」
ではなく、それ以前の教師と子どもとの間の信頼関係を大事にしよう、
そのためには言葉を大切に、というようなことでした。
この時、Aさんが名簿を見ながら適当に「じゃあ○○県の△△さん、課題を
読んで下さい」というふうに当てていったのですが、私の聞いた範囲でも秋田県
から熊本県までおられ、参加者の広がりにびっくりしました。
最後は「数学的思考」のための教材例で「ゴキブリバスターズ」というのを
模擬授業形式で見せて頂きました。子どもたちものって楽しむだろうな、と
思える教材でした。
第二部は「学校現場でのコンピュータ利用等の実践交流」(MES例会)
1.インターネットやコンピュータの教育利用の紹介
ゴキブリバスターズみたいな面白い教材の例はきっと全国でたくさん
あるのだろうから、ネットワークで紹介できたら、ということで
「新米せんせいのためのかず・ことば」プロジェクトというのが
始まっています。
http://fytv.sue.shiga-u.ac.jp/ ただし、一般の方が見ることができるのはデモ版でテキストだけ?
(?私のマシンだと写真は1枚も見えませんでした)写真はパス
ワードが必要なフル版ですね。
でもほんと1か所に集めるのが無理であれば、みんなで自分の教材は
自分のホームページにあげてリンクさせていけばいいかなあ、なんて
思いました。って私も自分の教材はまだホームページに上げてません
けど(アセ)
2.IEP試案の構想
IEPについてまずCさんがIEPについての様々な誤解について
「違うんだよ」という解説。次にDさんから実際に作ってみた
報告。3番目にEさんからある幼稚園で作られているIEPに
ついての報告。
3人とも「楽にできるんだよ。楽に作ろうよ」という点を共通して
強調していました。 また3人とも「その授業のねらい」を考える
時に、すごく小さな点というのか、すぐにできることをまず考えて、
そこから出発する、というのも共通していたようです。
その後の、質疑応答・協議で各地でかなりしんどい取り組みがある
実態も出てきました。それだけにえらく協議が盛り上がりました。
面白かったところ。
Cさん。配られたレジメの中の文「・・・・というのは誤解か・・・
あなたの・・教師としての力量不足である」あはは、そこまで書く
かあ・・。
Dさん。これは第二部が終わった後の立ち話も含めてなのですが、
「表面的に何かができる、ということよりも動機を大切にしたい。
本人がやりたいな、と思ってやれる。トイレ指導にしても、単に
おむつが外せる、というより「我慢して、トイレでできた。気持ち
いい!」ということを大事にしたい」「自分が担当するのでない教科
について、保護者からの願いをこの授業ではこういうのを入れてみて、
と具体的に担当教師にお願いする形でやっていった」「それと自分
自身の裁量で授業できる部分が結構あったのでいろいろできた」
Eさん。特に面白いところも無かったけど、Eさん、昨年も今年
もコンピュータ利用教育研究会でコンピュータに関係ない話ばかり
してますね。これもMESの懐の深さか。
3.「MES自作教材集CD-ROM2000」の紹介と中のおすすめソフト
今回もいつものことながら、楽しく役に立つものがいろいろあり
ました。
私には白黒のハイパーカードで作られた「指文字」が、なんか素朴
でありながらすごく役に立ちそうで、かつなつかしい感じがして
良かったです。
ここで一応昼の部はおしまい。
6時から宿泊施設「虹の家」での合宿研究会です。
総料理長七尾養護のFさんの指導によるミソ味の鍋。いやあおいし
かったです。
全員がひとことずつ挨拶したのですが、その中でもいろんな話題が
ありました。
石川県立平和町養護からはたくさんの方が来られました。その中には事務
の方も。(しまった、お名前を聞き忘れた)県立の学校などでは事務の方と
のやりとりがたいへん、という話題もよく出ます。そんな中、事務の方が
こういった研究会で勉強して下さると仕事がスムーズにいっていいですよね。
新潟県立高田養護学校のGさんからは、学校では備品としてパソコン
を購入するお金が無く、外部からの現物の寄付でやりくりしているが、寄付
されたマシンは学校のそれぞれの教師個人の物として管理してもらっている、
という話がありました。いろいろあっての苦肉の策ではあるようでしたが、
これってそれぞれの教師が大事にし活用して下さる、という意味ではいいかも
しれない、って思いました。まあ現実にはトラブルが起こるとGさんが
走っていかないといけないことも多いとのことでしたが。
トリで話された滋賀大学附属養護のHさんの言葉。「パソコンが特別の
ものでなく、野に咲く花のように親しまれるようになればいいな」
私は午後8時においとましました。たぶん、議論は朝まで続いている
ことでしょう。
あっ、そうそう、以前QOLActionでお会いした方と再びお会いでき、
「えっ、あなたがKING STONEさん」というようなことがありました(笑)
その方のホームページにもお邪魔してみました。素敵でした。