大昔の話です。
知的障害特別支援学校小学部3年目の2学期の話です。
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10月10日
C君の給食1 自己選択・意思表出
C君は、いつもひっそりしていることが多いのです。そして指示されて何か
をする、ということが多いです。給食もなかなか手がつけられません。指示
すると食べます。時々自ら食べる時もありますが、今はほとんど指示になって
るかな・・・
そういや先日「牛肉のウェスタン風」(昔の「鯨肉のノルウェイ風」の牛肉版)
が出た時は指示なしでどんどん食べてたな。
彼はずいぶん前に転校して来たのですが、その当時は牛乳が飲めません
でした。いやそれ以前に、給食そのものも食べなかったとか。しかし「指導」
により、給食を食べることができるようになり、牛乳も飲むことができるように
なりました。すばらしい実践だと思います。
追記
当時、障害児教育フォーラムではこう書きました。「本当にそう
かもしれない」と思っていたのが半分。あと公開の場に書くのだか
ら批判はやめておこうとい気持ちも半分。
しかし、今はっきり言えるのは、C君が以前に「どれだけひどい
事をされてきたのか」ということです。この後の記事シリーズの実践
を見て頂くと、それが浮かび上がって来るでしょう。
この実践の1年前の雰囲気が「
給食の思い出3」です。この時、威
嚇されたのはC君ではありません。しかし全体がこんな雰囲気でした。
また「
撃沈」の「残してもいい」という対応を提案したのはC君に
ついてです。
思い立ってから実行するまでに1年かかってるわけですね。
彼も時々気持ちが不安定になることがあります。
昨日こんなことがありました。彼はルーチンでバスから下りて教室に入る
ところまではできます。しかしその後、ソファに座るかボールを持つか、の
状態で指示があるまで着替えをしません。今日はめずらしく雑誌を見て
いました。で私が「着替え」と音声言語で指示すると少し声を出して混乱し
ました。
この時に、私は彼自身が「見通しを立てる」必要を強く感じました。
それと彼が自分の気持ちを「混乱」以外の方法で私たちに伝える手段を
持つ必要性とですね。
現在自立課題の時はワークシステムを使い「どれだけやったら終わり」
「次は何をする」という見通しを持てるようにしていますし、一部の移動
はカードを使ってしています。しかしその他は特にやってません。
そこで朝の着替えの時は机の上にカードを順番に置いておき、その
順に従って動くようにしてみる、というのを今考えています。
また給食では「さあ食べよ」という指示を無くし(へらし?)
「へらして下さい」カードを利用できないか、と思っているのですが。
給食については「黙ってそのまま残す」という危険性ですね。
それと「カードで意思表示する」という点については、現在自立課題が
終わった時に「(プリントの写真で)プリントをする」と
「(ゴールドカードで)教室へ帰る」という二つを選択してもらおうと
しているのですが、プリントをしたいのにゴールドカードを取ったり
ということもままあります。
ですから、給食の時に「へらして下さい」カード、あるいは
「スプーンの実物」を使うなどが意思表出の手段として使えるかどうか
は何とも言えないところがあります。
横でモデルを示して見せる、というので理解してくれるだろうか・・
うーん、悩みます。
いちおうお母さんからは「場合によっては給食を残す(食べない?!)
ことがあっても良い」という許可は頂きましたが・・・
着替えの時のワークシステムはまだいいとして、給食の取り組みは
周囲の目もあり、結構こわいです。
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追記
自立課題学習が終わった時に「選択活動」を入れようとしていたので
すね。そんなこと忘れていました。で、最初はうまくいっていない様子
がわかりますね。