小学部で、私のクラスでTEACCH的な取り組みをやっていた
頃。
ある自閉症のお子さん。視覚支援で様々な効果があがっていた時
です。
校外ランニングの時、待機場所までの移動は視覚支援でうまく行
っていました。しかし走る時は何もしていませんでした。非常にゆ
っくり走るので私は押したり引っ張ったりしていました(馬鹿・・
ですね)
ある日、私はやってる最中にふくらはぎを肉離れしてしまいまし
た。それくらい強くやってたのか・・
これは神様が「お前、考えを直せ」と言ってはるのだろう、と思
いました。
そこでランニングのおり返し点にカード受けを用意し、おり返し
点の写真を撮りました。それを私の代わりに担当してくれた先生に
渡し、もしお子さんがゆっくり走り過ぎて困るようなことがあった
らお子さんに渡してくれるように頼みました。
その先生が渡したとたん、そのお子さんはピューッと走って行っ
たそうです。後でその先生「いったいあれは何やったん?」と言っ
てました。私は「へっへっへっ」と答えました。
しかしその後、だんだんその子は速く走らなくなりました。
私は考えました。彼はランニングコースはわかったようだ。でも
結局のところ別に走りたくも何ともないのかもしれない・・・
この場面の視覚支援はやめました。もちろん押すのも引くのも止
めたままです。
結局、彼はゆっくりのままでしたが、まあ別には困らなかったで
す。こっちの考え方が変わっただけの話かな。