TEACCH的な取り組みを始めていた頃。
木工の授業をしました。
あるお子さん。木工室へは、写真を見せただけで一人で行けまし
た。それまではどこへの移動も、先生が引き連れて行ってました。
スケジュールに写真を貼って自立的に、というのはやってなかっ
たな。
木工室での作業自体も残念ながら視覚支援するとかやってません
でした。今考えるといろいろ工夫できそう。
その時は電動鋸(丸鋸ではなく、糸鋸よりは幅広な鋸)で板を切
るという作業をやっていました。危険は危険です。
そのお子さんの後ろから、手を添えて切っていました。何の問題
もなく作業していました。
リーダーさんが教室を巡回して来ました。みながやっていること
を見て、そのお子さんを介助して板を切ろうとしました。でも、そ
の子は強く拒否して電動鋸に近づこうとしませんでした。
私は何も気づいていませんでしたが、リーダーさんが笑いながら
「あ、こいつう、kingstoneさんやったら切らせるのに、僕やったら
切らさへん」と言いました。
その時、あっ、と思いました。
そうか、私がこの学校にいる意味もあるだろうな、と。
そのお子さんは、普段の生活ならリーダーさんの指示によく従っ
ていました。でも、何か怖い体験があってリーダーさんとの電動鋸
の作業は危ない、と判断したのだと思います。
人間関係が、リーダーさんより私の方があったから?
う〜ん、まあ直接の担任だし、人間関係もあったかも。
しかし、上にも書いたように、指示ということではリーダーさん
によく従っていたお子さんです。「この人は怖いことはしない」と
いう信頼は私の方があったでしょうね。それを人間関係と言ったら
いいのかな?