※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年03月29日

過去の記事102(ひも下さい 使えることばが増えてきた)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の2学期の話です。
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 11月12日


ひも下さい 使えることばが増えてきた


 今日の自立課題の時間、課題が終わってA君が私の側に座りました。
でいつもなら「プリント下さい」と言って、プリントをもらって
するのです。

 ところがいきなり「ひも下さい」

 私が「うん?」といぶかしげな顔をしたのだと思います。A君は
私のそばまでやって来て自分の靴を見せました。ひもがほどけてた・・

 以前から「結んで下さい」を教えようとしてはいたのですが、
今日は自分であれこれ考えて「ひも下さい」になったのだと思います。

 めっちゃ感動しました。

posted by kingstone at 12:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去の記事(1998年度後半) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

過去の記事101(パスの教え方 トランプの指導で)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の2学期の話です。
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 11月12日


パスの教え方 トランプの指導で


 文化祭2日前だと言うのに隙間の時間を見つけて学年打ち合わせをやった
わが学年です。(笑)他の方が見てびっりしてはりましたが、今週の午前の
学習でやったことを聞いておかないと来週の授業計画が立てられないのです。

 新人Aさんが昨日「パス」と色画用紙に書いたカードを作っていました。
ラミネートの仕方を教えて下さいというので、一緒にラミネートしに
行きました。

 今、新人AさんとA君は「1並べ」をしています。トランプのカードを
1から10までを順番に並べて行くのね。で「順番にする」(ターンテ
ーキング)は理解できだしました。モンテッソーリの円柱を目印に使っ
ています。またトランプは画用紙に一枚ずつの枠をつけゼムクリップで
カード1枚1枚を止めることができるようにしています。

 で、今日はパスをやってみたそうです。もちろん札を配る時には新人A
さんがまずパスをしなければいけない状況を作っておきました。
 
 最初にそのパスの状況に来た時、「パス」カードを見せましたが、
A君は「それがどうした」という顔をしていました。なんか全然わかって
ない、って感じ。

新人Aさん「でね、「パス」カードを本来トランプを置く枠にゼムクリップ
で留めたんですよ。そしたらA君、納得という顔でその上に自分のカードを
置いたんです」

 周りで聞いてたみんなが拍手、新人Aさんはガッツポーズ。「いやあ、
私も我ながらいい考えと思いました」だって(^O^)

 まあ、パスがわかったというよりも、我々が遊ぶ時のジョーカーの
使い方風に理解した、と思った方がいいのかもしれませんが、でも
ちょっと楽しみが広がるかな。

 次にA君がパスの状況になった時、A君は的確に「パス」カードを使う
ことができました。
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追記
 新人Aさんが、「自分で考えて」アイデアを出してくれている様子が
よくわかります。



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過去の記事100(お菓子でコミュニケーション指導2)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の2学期の話です。
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 11月11日


お菓子でコミュニケーション指導2


 今日は3回目の指導でした。

 今日は最近連絡帳の記入に時間がかかって、帰りの会も挨拶だけしか
できないことも多く、ひょっとしたらできないかも、と「おやつ」カードを
スケジュールから外していたのです。でその時刻にできそうだったら入れよう
と思っていました。そしたら朝、A君「おやつ」カードを指さして「つつ」と
言うのです。すごいなあ・・・水曜日にある、ってのをちゃんと覚えてるんだ。

 今日はBさん、C君にはコアラのマーチの箱とポテトチップスの袋、お茶と
ジュースの空ボトルを用意して机の上に置いておいてあげました。C君は飲み物
についてはすぐに理解したようで欲しい方(ジュース)のボトルを指さして
いました。

 Bさんにはいまひとつだったかな。

 D君に関しては、とりあえず机の上にお菓子を2種類とも置いてあげました。
で食べたところで「もっと」とか意思表示してくれないかな、ということだった
のですが、机の上にあるのを食べるとそれでおしまいでした。眠かったみたい。

 でも、ジュースは嫌い、というのは空ボトルを押して教えてくれました。

 A君には「コアラのマーチ」「ポテトチップス」「ジュース」「お茶」と
書いた紙を置いておいてあげました。今日は後になるほどプロンプト(きっ
かけ)が少なくても(見せる・少し待つ、程度)言葉で要求できていました。

 E君は単純に先生の手に持っている物を指さす、という行動であげてるの
ですが、それをわざとカードに置き換えられないかな、と思います。そこから
広がらないかな、と思うのです。

 F君はもうすごく嬉しそうでした。
 
 Gさん、介助についてた先生に聞きそこないましたが、お菓子を選ぶのは
「実物」を指さしてやってくれていたようです。


posted by kingstone at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去の記事(1998年度後半) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

過去の記事99(給食指導など 表現する方法を考えながら)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の2学期の話です。
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 11月11日


給食指導など 表現する方法を考えながら



 これはうちのクラスの人たちに読んで頂くための文です。
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 昨日も遅くまで教材研究(課題学習の教材作りのことです)ありがとう
ございました。

 Bさんが給食を食べるのが遅いことに対して「後10分」「後5分」
「おしまい」カードの提示、面白そうですね。(もちろん、それをBさんが
理解してくれるのはなかなか難しいことかもしれません)それと同時に先生
が片づけるのを見る時Bさんが嬉しそうな顔をする、という観察も大事かな、
と思います。Bさんも「もうおなかいっぱい」とか「のこします、ごち
そうさま」とか意思表示ができるといいのかもしれません。

 またこの「後10分」などC君へも試してみる価値があるかもしれません。
 「食べない」→「叱られる」→「食べる」というのはどうも違うような気
がします。食事というのは叱られてするようなもんでも無いような・・・

 ところで、親御さんにはまた連絡帳などでよく相談して下さい。A君の
「はんぶん」「のこします」カードの利用やC君の「はんぶん」カードの
利用については親御さんに許可を取っています。場合によっては大げさに
言えば「食べる権利のあるものを食べさせなかった」という見方もできる
ことですから。

 E君の「ひとくちは食べさせる」というのも親御さんの許可を取って
います。これはプレッシャーをかける時もあるとは思いますが。

 IEP(個別教育プログラム)という考え方があります。教師・保護者・
専門家などで協議して教育プログラムを作っていく、という考え方です。
アメリカでは1975年から作成が義務づけられています。日本では先日の
教育課程審議会答申で「作る」というのは出ていますが「誰が」という
のは出ていません。しかし、やはりIEPを作る、という考え方にそって
実践していけたらと思っています。教師と親御さん(本当は専門家も
入れて)で合意しながらやっていけたら、ということですね。

 ところでA君は、昨日「たづくり」を私の指示で途中で半分ほど食べて
いました。他の物を食べた後で「つつ」と言ってたづくりのお椀を指さし
ました。私がカードの方に手を向けると「のこします」と言いました。
「いいよ」と言うと自分で残飯用のビニール袋をセットして入れていました。

 私も「食べさせなければ」というプレッシャーから解放されてすごく楽
ですし、A君もコミュニケーションすることで自分が楽になる体験を積んで
くれれば、より表出してくれるような気がします。コミュニケーションの
能力は「やって良かった」という体験が積み重ねられないと身につかない、
と言いますから。

 今年の私のテーマはいろいろあるのですが「子どもも楽、先生も楽、
保護者も楽」というのも大きな柱です。「楽」というのは手抜きと思われて
反発されることもあるのですが、この「楽」の意味、わかって頂けますよね。

 どんな意思表出の手段(例えばどんなカード)を使えばいいか、など、工夫
し準備しないといけないことは山ほどあります。また「午前の学習」を始めて
私はすごく気持ちが楽になっているのですが、しかしもちろん教材を工夫し
作るのは昨日のように遅くまでかかったりします。それでも授業がお互い
楽しく楽にできるよなあ、って気がしています。(と言いながら私が一番
作ってなかったりしますが(笑))

 今日は「○○祭準備」までに時間がとれたら短くても「午前の学習」の
引き継ぎができたら、と思います。
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追記
 ベテランさんは他職種の方なので、打ち合わせには参加できることは少な
いのです。(週に1度はありました)こういった文は必ずお渡ししています。
しかし例えばBさんにスプーンを次から次へと突っ込んで完食させるのが上手
でした。Bさんも特に嫌そうな表情では無かったです。
 それについては私は何も言えませんでした。


posted by kingstone at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去の記事(1998年度後半) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

過去の記事98(クラスルーム・コミュニケーション 「もの」を使ったコミュニケーション)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の2学期の話です。
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 11月10日


クラスルーム・コミュニケーション 「もの」を使ったコミュニケーション


 これはうちのクラスの人たちに読んでもらうための文です。
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 私もやっと「クラスルーム・コミュニケーション」を読みました。

クラスルーム・コミュニケーション」坂井聡

クラスルームコミュニケーション.jpg

 私の心には「コミュニケーションエイドへの疑問−よくある質問に答えて」
のところで心に残ったところがありました。

「3.1 機械を介したコミュニケーションは非人間的では?」の中での
先生と生徒とのやりとり、すごく楽しいです。研修の発表の時「カードな
どを使うのは・・・」という疑問が出ていましたが、カードを頻繁に使う
ようになった2学期以降が、それ以前と比べて非人間的という実感はみな
さんも無いと思います。かえって何となく雰囲気が良くなってるのじゃな
いか、と思うのですが。

「3.2 シンボルやVOCAをなかなか利用しないのですが?」のところ
の「どのくらい使っていますか」に「まだ、導入してそれほどたっていませ
ん」という人に対して坂井先生が「最低でも3ケ月は根気強く使ってみてく
ださい」というのも、そうやな、と思いました。もちろん、いったいその子
にどんな方法があっているかを考え、やってみる必要がありますけど。

「3.3 コミュニケーション出来ると授業等の妨げになるのでは?」のと
ころも引用はしませんが印象深いです。

 昨日A君が掃除をしていていつものパイプイスが無いために掃除を途中で
ほっぽって探しに行こうとしてました。最初は「ありゃ、なんでさぼるん
やろ」と思いましたけど、さぼってるわけじゃなかったわけです。何か
伝えてくれりゃ誤解せずにすみます。

 E君は、中学生さんを連れてあちこち行こうとしていました。これも
「ここへ行きたい」というのがこちらにわかればもう少し安心して見て
おれるところもあります。トイレなども「これからトイレへ行くよ」と
いうことを伝えてくれるとずいぶん楽になります。
 
 そう言えばC君、今日の自立課題が終わった後のプリントの時、最初は
プリントの写真を持って来ました。でプリントをして丸つけが終わった後、
私が何もしなかったら写真を一度ワークシステムの台にもどしてからまた
持って来ました。もちろんプリントをあげました。次にまた台に戻そうと
した時に私が彼の体を止め、写真を私に渡すように指示したのですが、
これはまだよくわかってはいないようです。本当は他の人がモデルをして
くれたらいいんでしょうけど。写真を持って来ればプリントができること
はわかったけれど、写真を相手に示すことはまだできないわけです。ここら
へんを改善していく方法があったらと思います。

 A君は最初は私が顔を見せないと「プリント下さい」「できた」が言え
ませんでしたが、2回目からは中学生さんに言えていました。(この言葉
が出る前はVOCAを使っていたのはご存知ですか?ACアダプタが無くなって
て今、使えてませんが)

 今日、時間がありそうだったら「お菓子でコミュニケーション」をしたい
と思います。連絡帳を書く時間次第というところかな。

 文化祭の準備もいろいろあり、9月当初の私の意気込みが少し薄れても
来たのか、みなさんのいろんな意見を授業や暮らしの改善に取り入れる
度合いが減ってる、と自覚しています。マンネリにならずにぼちぼち行き
たいと思います。
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追記
 スペース96に入って坂井聡で検索すると、新しい本がたくさんヒット
します。

さらに追記
 スペース96は廃業されました。

posted by kingstone at 11:54| Comment(8) | TrackBack(0) | 過去の記事(1998年度後半) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする