※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年02月16日

TEACCHと威嚇と暴力

 えっと、TEACCHのセミナーに行ってから、授業や学校生活が
どう変わったかを書きたいのですが、先に気になることを書きます。

 私は、指導の主流が威嚇と暴力であった学校に異動して、悩んで
どうにかしたいと思ってきたことを書きました。

 で、TEACCHに出会ったと書きました。

 あの、でも、TEACCHが「威嚇と暴力の代わりになる」わけじゃ
ありません。当たり前のことですが。でもここ大事なとこですから。

 その学校に行った当初、あれ?落ち着いた学校だな、と思いました。
 私に自閉症に関する知識はありませんでしたけど、ほかの学校の話で、
集会でパニックになるお子さんもいるんだよ、なんてことは聞いてまし
た。

 私の行った学校はパニックになるお子さんは見かけなかったし、集会で
ビシッと落ち着いて並んでるように見えたし、そう「秩序が保たれてる」
って印象ね。

 後でだんだん、指導の主流は威嚇と暴力なんだ、とわかるようになって
きたわけですが。

 あの、ここは強調しておきたいのですが「威嚇と暴力」を使っていた
先生だって、「いい教育をしたい」と思っていたのは確実なのですね。
ただ「何に価値を置いたらいいのか」「どういう方法を使ったらいい
のか」が間違ってただけで。

 例えば「集会でビシッと並ぶ」のは、そりゃできたらいいかもしれ
ないけど、まあ別にできなくてもいいじゃん、という価値観があれば、
「威嚇して暴力で、並ばさなければならない」とは思わなくてもいい
かもしれない。

 TEACCH的に、スケジュールや視覚支援で、並べたらいいね、
という工夫はするかもしれないけど、別にできなくてもいいやん
くらいの気持ちは必要。決してTEACCH的な取り組みでビシッ
と並べることを目指すのは間違い。

 そういや以前書いた
−−−−−−−−−−−−−−−
 でも入ったクラスの主任の先生は、集会の時子どもたちが並べなくても、
「いいのよ。叱らないで」と言うような方で、そのおかげで私は1年目を
生き延びることができたような気がします。とても素敵な方でした。
−−−−−−−−−−−−−−−
この先生はたぶん受容的交流療法が好きな先生でした。
でTEACCHは大嫌いね(ニコ)
あっ、もちろん威嚇や暴力も大嫌い。

「まあ、並べなくてもいいじゃん」という価値感を持っておいでの方で、
それを私みたいな新参者に言葉で伝えていて下さって、それで私は救われた
わけですね。

 おっと、話があっちこっち飛びましたが。

 上に「学校に落ち着いた印象を持った」と書きましたが、その学校の
以前の主流の先生は「威嚇と暴力」ではあったけど、確かに「落ち着き」
の雰囲気は醸し出していたんですね。

 もちろん「落ち着き」は大事です。でも方法が間違っている。
 そこで方法としてTEACCH的な取り組みをしようというのも
間違い。

 TEACCH的な取り組みは、結果としてお子さんが落ち着くし、
落ち着かない取り組みは間違っているんだけど、う〜〜んと・・
そう「無理して」「従わせて」落ち着かせよう、というのとは違う
んですよね。

 視覚支援で、絵カードや写真を見せて自閉症の方にわかって頂く、
っていうのを見た時に「無理に指示に従わせる」と感じて嫌がる人
は多数おられます。

 実は「わかってもらう」ためにやっているだけで、従わそうと
してるんじゃないんです。

 で、当然「わかった」結果「拒否」するのも認める。
 ってか、とても大事。

 TEACCH的な実践を見て、
「おっ、これはいい従わせる方法だ」として取り入れようと考えるのは
大間違い。




 

 


posted by kingstone at 10:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

TEACCHの2日間セミナー

 えっと、TEACCHの2日間セミナーに行って感動した話を
書きました。

 もし今もあれば、私は他人に勧めます。
 私はその時、TEACCHのことを少しは理解できたと思います。

 ただ、行っても理解できない人もいた、ということを書いておきたい
と思います。私の知ってるのは1例だけですけど。

 2日間セミナーで、私の参加した1回目か2回目。同僚が参加して
いました。びっくりしました。

 この先生、勉強好きで、いつも難しい話をしてはりました。

 でTEACCHを勉強しようと思って参加されたのでしょう。
ただ主催者さんに「私は忙しいので宿泊はしない」という許可を
取ってはりました。子どもたちと実際にやりとりする場面にも
いたかなあ・・・。記憶があいまいです。

 まあ講義だけで理解しようとしてたみたいです。

 学校に戻って来てからも、別に視覚支援もスケジュールも
自立課題学習もしてはらなかったな。

 で、年度末の研修冊子を見て唖然。

 そこには受容的交流療法・太田のステージ・TEACCHのことが
並べて紹介してあったのだけど、TEACCHについては
「義務を大事にします」というのをえらく強調してはりました。

 で「やるべきことは(無理しても)やるべき」みたいなことかな。

 講師の先生が、講義の中でひとこと「アメリカでは義務を守ること
を大事にします。TEACCHでも大事にします」みたいなことを
おっしゃったのは事実。

 でもセミナー全体を通した時、そこを「強調」するというなはない
なあ。

 で「やるべきことは(無理しても)やるべき」というニュアンスの
ことはひとこともおっしゃっていません。

 当たり前のことですが、自閉症の特性を理解し、個人から出発して
うまくコミュニケーションが取れるようにして(受容性も表出性も)
そのうえで「義務(って具体的にはどういう時のどういう行動なの
だろう?)を守れたらいいよね」って話になるはずです。

 自閉症の人が楽になれる、ってのが1番だと思うけどな。
 ま、こんなこともありました、ってことで。





posted by kingstone at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

TEACCHの2日間セミナーへ

 大昔の話です。

 校長室で「異動させてくれ」と大泣きしてから少し後。

 TEACCHの2日セミナーにいきました。
 朝日新聞厚生文化事業団のやってたやつ。
 今はあるのかな?

 誰かに教えてもらったと思うのですが、経緯は忘れた。

 自閉症の特性の講義から始まって、どうやるかについては
何人かの自閉症のお子さんに参加してもらって、実際にやって
見せてくれるやつですね。

 それ以前にTEAACHに関する本も読んでいたとは思うのです。
 でもようわからんかった。

 2日間の講義と自閉症のお子さんとの実際のやりとりを見て、初めて
納得できました。

 で感動しました。
 いったい何に感動したのだろう?

 自閉症が理解できるってことかなあ?個人から考えるということかなあ?
 あっ、ただし「個人から出発する」みたいなことを私が理解するのは、
もっと後です。

 私のTEACCH理解というのは、このセミナーよりずっと後に書いた
ものは残ってます。(書いておくって大事ですね)
「TEACCHって何?」

 今読んでも、私の理解はこのままですね。(具体的なことは何も書いて
ませんが)

 だから、たぶんこの一部をセミナーで理解したということだと思います。
一部をね。また書くかもしれませんが、私は最終的にセミナーに4回参加
させてもらい、地元で研究会も重ねて少しずつ理解できていきました。

 だからこの1回目のセミナーではほんの一部を理解したのだと思います。

 でも感動しました。

 で、月曜日に校長室に行って、校長先生に言いました。

「私、もうちょっとこの学校にいることにします。
 この学校でも生きていけるような気がしてきました」

 あはは、単純な奴。


 追記 トレーニグセミナーは、現在「TEACCHプログラム研究会」のものが、
   今もやっているようですね。


posted by kingstone at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月15日

なかなかたどりつかない

 もし読んでる人がいたら、何か心配させるような事ばかり書いてますねえ。

 はやくうまいこといった所も書きたいのですが。
 ちょこっとはあります。
 ちょこっとだけど。

 ちょっと休憩しよっと。
posted by kingstone at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

撃沈

 大昔の話です。

 特殊教育学会から帰って来ました。

 えっと、私はいったい、何をどうしようとしたのだろう・・・・
 よく覚えていないのです。

 ただ、クラス打ち合わせで、給食のことが課題だと思って話していたことは
確かです。それもあるお子さんに、他の子とは違う対応、残してもいいという
対応を提案したことは確かです。

 威嚇の上手な超ベテランさんは
「君は子どもによって違う対応をしようというのかね(そんなこと、してええ
 わけないやろ)」

 後の私なら「その通り。個別の対応をしましょう(ニコ)」とできたと思う
のですが、その時は無言で、うつむくだけでした。

 ベテランさんは
「私は食べさせられます」

 若めのベテランさんは無言。

 多数決で否決・・・

 その日だったか、次の日だったか、校長室に行きました。

 そして「異動させて下さい。私にこの学校で生きていく場はありません」
とわんわん泣きながらお願いしました。2年で異動希望を出すのは異常な
のですけどね。

 校長先生は黙ってティッシュを取って私に手渡しながら、聞いて下さって
いました。

 あっ、校長先生に誰それが暴力をふるってるとか威嚇してるとかは言って
ません。校長先生はそういう情報も知りたがっていた様子はあるのですが。
日頃から「体罰(という言葉だったと思う)はいけない」と職員にはよく
おっしゃってましたから。

 でも、誰がやった、とか言うのは仲間を売るような、モラルに反するような、
そんな気がしませんか?私はそんな感じがしました。

 だから私は「ここには生きていく場がありません」と言っただけです。

 まあ・・・だから肝心な情報が上がって行かないんだろうな。


posted by kingstone at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする